ココボロだとか好きだとか

大学院生による独り言と備忘録

Underson Undersonのシャツ

Underson Undersonのタグ

ついに手を出したブランド、Underson Underson。

アンダーソン・アンダーソンは肌着から出発したブランドで、肌にあたる部分の99.9%が和紙でできたアパレルを多数販売している。

有名な商品は下着。メンズもレディースも出ており、方向性としてはCalvin Kleinに似ている。シンプルなデザインに大きなロゴで、ヘルシーな雰囲気を大切にしているようだ。

 

和紙繊維のタグ

上述した通り、和紙繊維を前面に押し出したブランディングが見られるタグ。

実際、吸水性に富んでおりサラサラとして肌触りがよく、紫外線カット効果もあり素材としても優れているように思われる。そのうえ和紙=植物繊維であるからして、環境にも良いサステナブルな素材という部分も売り文句としては優秀そう。(私は興味ないけれど、洗剤・柔軟剤は『さらさ』を使っている。なぜなら天然素材にこだわって"いそう"だからである。実際拘っているのはその雰囲気であり、中身にはなんら興味ない)

(ちなみにこのタグは、左右三針くらいで留められており、おそらく取ることを想定しているのだろうけど、本当にあっているのか不安になる。私は取った。)

 

私の買った商品はこちら

和紙45%、レーヨン41%、ポリエステル14%の混率で光沢感がある。なお、ワンウォッシュからアイロンをかけたが、しわが結構出る。

また、アイロンの際に水滴が直接ついた部分にはシミができてしまった。あとからスチームアイロンを全体に掛け直すことで取り払うことができたが、おそらくベストなアイロン方法は、襟だけ普通のアイロン、あとの部分はスチームだろうか。ちょっと面倒かもしれない。

 

 

ガゼット

袖先

定価でおよそ18,000円するだけあって作りはしっかりしている。ガゼットもきれいについているし、その付近の縫い合わせも幅がそろっており、Rも美しい。袖先も剣ボロ部分が外からは一枚に見えるように折り返されるなどよくできている。

また、袖先のデザインは特筆すべきだろう。剣ボロにガントレットボタンはなく、シームレス(に外からは見える)。短いカフス部分は、別布ではなくステッチングで仕切られており、リムの太い茶蝶貝のボタンが一つ留められている。普通シャツの袖先のタックは、カフスの布に先端を差し込んで縫うことにより作られているが、カフスまで一枚布のせいもあり、こちらも変わった作りだ。両側から折りたたむことにより、左右対称に広がりを持つ、観音開ってタックにもつかうのだろうか、そんな感じ。

 

 

 

バックプリーツ

襟は台襟のないデザイン。というよりはパジャマを基にしているだけあってオープンカラーの作りになっている。また、前立てはプラケットフロントながら、ステッチが生地の端ギリギリにあるせいか、あまり主張が強くなく、着やすい。(私は表前立てがあまり好きでない)

また、襟芯はなくカジュアル特有の柔らかさ。それに加え襟先のステッチはなく、極シンプルでエレガンスな印象を放っている。

後ろ姿については、そもそも身幅や肩幅が広く作られていることに加え、バックプリーツは相当袖に近い部分に入っているためカジュアル感が強い。リラックス感というのだろうか。

 

 

襟元のボタン

裾はバックの方が7.5cmほど長く作られており、イマドキ感が強い。また、先ほどから何度も言っている「裏地の99.9%は和紙繊維」が、一目見てわかるくらいには裏と表の生地の素材感が全く違う。

また、シャツ好きが必ず見るポイントであるボタン付けはいまいち。写真は襟元であるのにもかかわらず、生地にベタ付け。二ノ字掛けであるものの、根巻はなく、それどころかボタンと生地の間に空間すらない。さすがにちょっと留めにくいかな。

 

とまあ大体はそんな感じ。本当は全体感の写真をお見せしたいのであるが、丁度いい撮影スポットが自宅にないため、撮れないでいる。撮影用のシンプルな一本のシルバーハンガーポールが欲しいと思ってしばらく経つが、結局買わずじまいでいるのだ。

 

 

袖付け

 

総称としては、よくできたシャツといったところだ。

肩の袖付け部分などの生地の折り返しは細く丁寧に抑えられており、縫製へのこだわりを感じる。また、先述した襟先やヨーク付けのステッチは見えないように裏へ折り込まれており、縫い目を隠すことによって、却ってミニマルへの追求が露わになっている。

パジャマをベースにしながら、外で着れるようなよくできたデザインであるし、裾先や襟先のちょっとした気の利いたデザインなど"ハズシ"が効いている。

 

しかしながら、学生の私からすると18,000円はやや高い。まあ、このブランドの代表的なアイテムであるアンダーウェア(ショーツやボクサーパンツ)ですら、レディース・メンズともに4,000円くらいすることを鑑みれば、少しお金に余裕のある20後半から30代をメインターゲットにしているのだろう。ヘルシーな雰囲気からも、人生に余裕のある(意識高そうな)人々が対象なのは明白であり、そういった人たちからすれば、4,000円のアンダーウェアも18,000円のシャツも高すぎることはないのかもしれない。

 

ちなみにアンダーウェア難民であった私は、ついに4,000円の肌着を2枚も買ってしまった。本当は、もっとブランド主張が少ないものを探していたのだけれど、まあ和紙の機能性に惹かれたってことにすればいいかということで購入に至ったのだ。本当は7枚で10,000円に抑えたかったのだけれども仕方あるまい。

 

ということで、最後は下着の話になってしまったが、このシャツについても概ね満足している。ブランドの持つ雰囲気やアイテムのデザイン、素材を重視する価値観などが気に入った。まあ"私には"高いのであまり買わないかもしれないけれど、ブランドの沼にハマってしまったのかもしれない。