ココボロだとか好きだとか

大学院生による独り言と備忘録

ボタンブーツ

ボタンブーツを買った。

ボタンブーツ

知っているだろうか、ボタンブーツ。

これはかつてもっともフォーマルだった靴である。現在では、ブラックのストレートチップが最もフォーマルであるだろう。中でもレベルソといって、縫い目を隠したデザインはその見た目からさらにフォーマル度(あまり理知的ではなさそうな名前だと思っている)が高いのだという。おそらく気のせいである。

 

ボタンブーツはその名の通り、ボタンによって着脱をする。片足につき6つのボタンが付いており、専用のボタンフックというものをボタンホールから出し、ボタンをフックに引っ掛けて穴に通す。なかなか着脱が面倒で、先日初めて履いた時には5分ほどぼ時間がかかった。慣れるまではこのままだろうし、おそらく慣れるまでにも時間がかかるだろう。非常に手間である。

 

私が購入したものはブラックスエードをアッパーに使用しており、足首廻りの生地はファブリック(何らかのサテン地)である。日本においてボタンブーツを販売しているのは、私が知る限り大塚製靴とPerfettoの二つのメーカーのみである。私が購入したのは大塚のものだ。そしてPerfettoのモノはなんとなく好かない。なぜだかわからないけれど少しちゃっちく見えるのだ。ボタンホールが嫌に目立つからだろうか。

現在、大塚製靴で販売されているボタンブーツはM5ラインのみで高い。純粋に高い。税込みで20万円を超える価格であり、Perfettoがこの半額であることを考えたらちょっと許せる気もしてくる。まあそのお金あったらPerfettoなんて買わないけれど。

 

 

私が買ったのはおそらく新古品。M5ではなくて以前は売っていた廉価(といっても9万円くらいはする)のラインで、知る限りはスムースレザーとスウェードのコンビしか売っていなかったはずだ。しかし手元にあるのはスウェードとファブリックのコンビ。オークションで半年以上売れずに放置されていたのだが、この機を逃したら二度と見つけることはできないだろうと思い購入してしまった。

そもそもずっと「いつかはボタンブーツが欲しい」と考えていた。そんな中45,000円ほどのこの商品が目に留まったが、高い。M5の新品と比べたらはるかに安いのだが、学生の買い物にしては些か高額である。だからずっと放置していたのだが、卒業もするしコンペなどでもそこそこ良い賞を取ったので奮発して購入に至ったのだ。

 

 

大塚らしい質実剛健の作りで、アッパーのダブルステッチに矢筈のコバ、ピッチドヒールにヒドゥンチャネルネルというまさに高級紳士靴という作りだ。美しい。私は靴磨きが好きだからスムースレザーの方が手間を掛けられて好きなのだが、スウェードもそれはそれで好きである。光を吸い込むマットなその質感は、ほかの素材ではどうにも再現しようがなく、触った時のざらりとした心地よさは格別だ。それに、水や傷に強いため、外出の際に過度に気にかけなくていいというのも嬉しい。というより、手入れの手間がないのが残念なだけで、どちらかというとスウェード靴の方が好みなのだ。

 

この靴は私にはピッタリ過ぎで、少しでも厚い靴下を履こうものなら、おそらくボタンを絞められないだろう。しかもグッドイヤーならではの返りの悪さ。つま先がひどく削れそうな気がしているが、今後ある式典の際には活用していきたいと思う。私の一番のフォーマルシューズである。ああ、スウェードのベルトをそろえなければ。