ココボロだとか好きだとか

大学院生による独り言と備忘録

ブログ名の由来と思い出の品

 

Protégé Clarinet

 

昨日は、はてなブログの「編集部が選んだこれまでのおすすめ」に我が拙記事『購入品紹介:Zwieselのエアセンス - ココボロだとか好きだとか』を選んでもらった。おそらく初めての経験である。

 

読み返すと恥ずかしいくらいに拙い文章で、昨日の内に3回修正をしている。だからといって、いい文章にはできていないのが何とも言えないところ。

まあそんなことはどうでもいい。だってそもそもこのブログを始めたきっかけは自己満足であるから。

始めた当時、文章を投稿できるプットフォームならこだわりはなかった。誰に見られる必要もなかったが、形式として社会一般に公開されているといことが大切で、自己満足ながらも公と私との接点となるような場所が欲しかったのだ。そして当時は文章くらいしか作れるものがなかったことと、もともと好きだったブロガーがいたことからブログを媒体に決めた。はてなを選んだ理由も特になく、使い勝手がいい、それだけであった。

 

 

 

さて、今日の内容はブログ名『ココボロだとか好きだとか』について。

このブログタイトルは、私の好きなFlippers Guitarの『Sending to your heart / 愛してるとか好きだとか』をもじってつけている。彼らの楽曲の中で特別好きな作品ではないが、「あなたの心に届くように」という意味の英題と、「愛してるとか好きだとか」という邦題の語感が気に入り、タイトルへ活用した。

 

そしてもう一つ大事な要素がココボロ。以前『Sending to your heart / 愛してるとか好きだとか』を訳した記事でも、ブログタイトルについて少し触れたが、このココボロについては紹介することはないかもしれないと書いていたはずだ。

それは、この品がそれなりに稀有な物で、私を知っている人が見たら一発で私だと分かってしまい得る物質だからであった。

しかしながら、こう長く(1年半くらいだろうか、私にとっては十分長い(見てみると三年であった。放置期間が長すぎて何も定かではない))いろいろな記事を書いていると、知人が見れば特定可能な情報なんていくらでも公開してしまっている。ならばこそ、一番重要なブログタイトルの理由をひた隠しにする必要性も薄れ、なにかのきっかけに紹介しようと思ったのだ、この思い出の品を。

 

Protégé Clarinet 全体像

写真の通り、紹介する品はクラリネットだ。学生時代、私はクラリネットを吹いていた。

楽器にすこしでも明るい人間なら写真に違和感があるだろう。

 

そう、クラリネットは黒い木材にシルバーメッキのキーという構成が一般的だ。が、とち狂った (内省を込めてそう言おう) 私はBackunというブランドのProtégéというモデルを使っていた。このブランドはグラナディア素材の楽器も勿論手掛けているが、ココボロというローズウッドに近しい種類の木材を使った楽器こそ有名である。現在ではプロフェッショナルモデルであるModel F (90万円ほど) からしかココボロ素材を購入できないが、私が演奏していた当時はProtégéというインターメディエイト (中間) モデル (入門より上、つまり学生が使うくらいの位置づけだろう) からココボロ素材が選べたはずだ。

 

なぜそんな楽器を使っていたのか。理由は簡単、好きなクラリネティストがBackunの楽器を使っていたから。

木管楽器は中古市場での購入にあまり抵抗がない場合が多く、学生の使うような楽器は、定価が40~50万円程度、購入価格が20~35万円程度が一般的ではないだろうか(個人的な意見)。もちろん知人には新品の楽器を購入する人も多くいたが、私は中古で購入した楽器を使っていた。当時で25万~30万円くらいだった気がする。アルバイトをしながらお金を貯めて買った。半年から一年弱、働いていただろうか、部活や塾などの時間も取りつつ、少しずつアルバイトを続けてようやく手に入れた楽器であった。だからこそ"とち狂った"選択をとったのかもしれないが、振り返ってみればいい思い出かもしれない。当時は結構苦労したけれど。

というのも、クラリネットはあまり大きな音が出る楽器ではない。2~3人で同じパート(クラリネットパートではなく、クラリネットの中でもいくつか分かれるパート、つまり複数人で全く同じ譜面)を吹くことが多く、ならばこそ音色を合わせるという面が重視される。プロのソリストであれば特異な楽器で自分の音色を奏でてくれればいいのだが、楽団としては(いい意味で)平々凡々な音を出すことが重要である。徹底した楽団だと皆ヤマハの同じモデルで揃える、みたいなこともあると聞く。

そんな中、変なブランドの変な楽器を使うという選択は明らかに間違っていたといって良いだろう。個性というものは、無理やり作るべきではなく、たとえ皆で同じ楽器を使っていたとしても、技量によって示すことができるのだから。

 

 

なんだかんだで、私は一年間は学校の楽器を、その後一年間はこの楽器を使っていた。自称進学校あるあるだと思うが、部活の引退が比較的早く、しっかりと部活をやっていた期間は二年程度だ。

一年で30万(弱)とすると結構高い気もするが、その間はずっと部活してたしなあ。

 

この楽器は、一般的なクラリネットと比べると、色の通り(まあ本当は色は関係ないのだけれど)明るくまろやかな音色をしている。その分、マウスピースにはクランポン(クラリネットと言えばというブランド、知り合いはみなクランポンの楽器ばかりだった)のメタルリングつきのマウスピースを使っていた。

Buffet Crampon のマウスピース

本当は中央のロゴが金字なのだが、長く使っているとどうしてもかすれてしまう。今はもはや溝だけ。

 

 

Daniel Bonade のリガチャー

ちなみにリガチャーはボナード。これは結構一般的な物だろう。こちらもだいぶ使用感がある。これはおそらく結構早くに購入して以降ずっと使っていたはずだ。丸二年とまでは言わないが、7/4年くらい使っただろうか。

 

 

そんなこんなが思い出語りである。なんやかんやあって東関東大会に出場もできたし(吹奏楽部バレ)、それなりの空間を特異な楽器で乗り切れた(と思っている)のは良い経験であった。今では楽器を演奏する機会は全くないが、せっかく楽器があるのだから、いつか再び演奏をしたいなとも思っている。

 

 

ということで長くなったが、

・Flippers Guitarの『Sending to your heart / 愛してるとか好きだとか』

・Backunのココボロ素材のクラリネット

の二つがこのブログ名の由来である。

 

なんだかんだ言って、「ココボロだとか好きだとか」というブログ名は語感がよくて気に入っており当時悩んで付けた甲斐もあった。この記事、見る人が見れば私を特定できると思うが、こんなブログを見ていることもないだろう。

そもそも、楽器を使っていた当時から好きだったバンド (No BusesやFlippers Guitar)の訳記事や大学の専攻(もそれなりに特殊)を公開していることを考えれば今更かもしれない。やっぱ積集合には気を付けないといけないね。大学の知り合いもアレかもなあ......カメラとか服とかも公開してるし。

 

それでは、知り合いからの特定が心配ではあるが、見られていないことを祈りつつ、このくそ長い記事を終わりにしたいと思う。