ココボロだとか好きだとか

大学院生による独り言と備忘録

12月の撮影会

ようやく日常に余裕が戻ってきたので撮影会に行ってきました。

カメラはMinolta ModelⅡとKonicaMinolta α-SweetDigitalの二つで、今回はデジタル一眼の後者のモノで撮った写真をいくつか載せています。

 

 

階段

   絞り     f/5.6

   露光    1/80秒

ISO感度   400

 

階段を降りる途中にふと下を向くと、なんだかいつもとは全く違う情景が見えた気がした。溜まる落ち葉と視界の端に映り込む銀。まっすぐと横に伸びる段差は非常に無機的で、石の隙間の苔だけが有機。見下ろした情景は、もはやどちらが上か下かもわからず、ただ積みあがるように網膜に写る。

つむじ風が鳴らす落ち葉の音は、どことなく夕立に似ている気がした。

 

 

灯る

   絞り     f/10

   露光    1/320秒

ISO感度   100

 

街灯は未だ点かず、傾いた陽が横から刺すように光を送る。普段は植物や風景ばかりを撮るのだが、少しくらいは自分らしい構図を手に入れたいと思って取り始めたのが、こういった逆光の写真だ。分かりやすく印象が強い。

透明なグラス(かどうかは知らない)についた無数の傷が光を乱反射させ白く映り込み、フレームはもはや色を失くした。単純ながら面白い写真が取れたと思う。

 

 

   絞り     f/5.6

   露光    1/160秒

ISO感度   200

 

オールドレンズを使って逆光の写真を撮ると時折、虹色のバブル状の光が映り込む。これはゴーストと呼ばれ、おそらくレンズコーティングの劣化などによるのだろう。詳しくは知らない。

枯れ葉というものも好きな被写体の一つで、特に穴の開いた葉なんてものはそこらの花より幾倍も面白い。この写真ではちょうど中央に枯れ葉を、写真全体に虹のグラデーション、右には虹、左にはバブルを移すことができ非常にバランス感がいい。

 

 

時期外れ

   絞り     f/5.6

   露光    1/160秒

ISO感度   640

 

紫陽花が好きで、特に白いものが好み。今回は紫陽花と呼ばれて真っ先に思い浮かぶ色合いの株で、こんな時季外れに未だ残っているのはと思い撮影した。面白い写真ではないが、面白い情景ではあった。こういった"どうでもいいものを面白く撮る"ことが腕前と呼ばれるのだろう。私にはまだないが、いつかは撮れるようになりたいものだ。

 

 

 

以上4枚。結局数十枚撮影したところで気に入ったのは数枚で、まだまだ研鑽が足りない。

先日の『感性は感動しないに寄せて』でも語った(気がする、削除してしまった段落かもしれない)のだが、私はこの視力の悪い両目を信じている。私よりも上手く、この情景を撮影することができる人間は五万といるだろうが、私よりも綺麗にこの情景を感ずることのできる人間はおそらくいないだろう。いつも、そう思いながらカメラを向けているのだ。

 

α-SweetDigitalはもう15年以上前のデジタル一眼で、おそらく最新のiPhoneよりも画素数は低いだろう。もちろんカメラの良し悪しとは画素数でもなければ、レンズのみでもなく、それぞれ複合的な要因で決まるのだろう。

私は月や星、鳥なんかを撮る趣味は持ち合わせていないので、このまま壊れるまではこの機械を使っていくのだろうと考えている。カメラを趣味とする人間にしては金がかからないだろう。といっても、フィルムの方、特に二眼レフ富士フイルムがブローニーから撤退したため、フィルムの値段が上がり金がかかるのなんの...最近はもっぱら35mmだ。

二眼こそが私の初めてであるからもっと活用したいとは思ってる。いつかは。