ココボロだとか好きだとか

大学院生による独り言と備忘録

マークニューソンのカップ

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Marc newsonカップ(底面)

 

購入品紹介、Marc Newsonカップです。

ideeにて購入。というかideeのオリジナル商品のため当然です。もともとマーク・ニューソンはideeでキャリアをスタートしたらしく、パーティー用に制作したものを商品化したことが、このカップの由来のよう。

ずっとほしかったカップですが、近くのideeには売っておらず、またサイズも3種類あるため通販で買うのはためらわれており、数か月間悶々としておりました。

 

そして先日東京へ行った際にideeTokyoに立ち寄ったら、なんと食器やカトラリーがフルセットで置いてあり、衝動買い。

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Marc newsonカップ

なんともよくできているとは思いませんか?使い捨ての紙コップをモチーフに綺麗な白磁で作られたこのカップ。側面の溝や側面下部のへこみなど、本当によく再現されています。それでいて少し重量があり、しっかりとした白磁の質感が見た目と本質との違和感を作り上げています。

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Marc newsonカップ側面



私が購入したのはLサイズですが他にもM・Sが存在し、あとはカトラリー(スプーン、ナイフ、フォーク)とディッシュ(MとS)があります。カトラリーはコンビニとかでもらいがちなプラスチック素材のような見た目で、ディッシュはもちろん紙皿をモチーフにしています。是非全種類そろえて食事に使いたいと思うようなデザインです。

 

とはいうものの、現時点では食器のセットがあったところで使用する機会もないので、他のモノは購入せず、一番利用機会が多く、ずっとほしかったカップのみ購入しました。

 

 

私が一番好きなデザイナーはEileen grayで、彼女のフロアランプを所有していますが、いつかはかの有名なサイドテーブルも欲しいと思っています。そんなことはどうでもいいですが、アールデコ、モダンデザイン、機能性がキーワードでしょうか。そういった無駄をそぎ落としたようなデザインが好みで、あとはなんとなくナンセンスなアプローチ(今回のマークニューソンのような、本来安価にみられているものの再現を全力で行う)ようなプロダクトも好みです。

 

 

 

マークニューソンのこのプロダクトは、かつてウォーホルが行ったBurillo Boxの制作に通ずるものがあると思います。大量生産品を敢えて模倣し、デザインとは何かを再度考えさせる。デュシャンやウォーホルが行ったことは問題提起に過ぎないかもしれませんが、それまで考えられてきたartやdesignというものが本当に考えられてきた通りのモノなのか、artを美術という殻から解き放ち、改めて定義を行おうとしたその姿勢は、今でも多くの現代芸術化に引き継がれています。

 

私たちは違和感のない現実に惹かれがちです。本来、生物的には違和感なく通常通りである生活にこそ安心を感じるのでしょう。しかし、人間の思考のほとんどは違和感から生まれます。何かと何かの差異を見つけることにより、新たな思考に至りさらに細分化した物事の定義や規則を導き出す。私達人類が積み重ねてきた伝統はみな差異から生まれたといって過言ではないでしょう。デカルトの思考法ですね。

マークニューソンのカップは現代のブリロの箱であり、ウォーホルの二番煎じ、いやもう何番煎じかもわかりません。しかしながら、その様なコンセプトを持ちながらも日常生活に溶け込み、利用することができるという点は、また違ったアプローチであるといって良いでしょう。

 

artを"美術"から解き放ち、日常に開放した先人に続くこのプロダクトデザイン。ぜひともイデーに立ち寄った際には一度手に取り、その質感を確かめ、見た目との違和感を楽しんでみてください。

きっと気に入り、あなたの家の一員になるかと思います。

 

 

オンラインでも購入できるので、少しのぞいてみてください。

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