久しぶりにフリッパーズ・ギターの和訳を。今回は
Boys Fire The Tricot / ボーイズ、トリコに火を放つ
です。
Firstアルバムの2曲目。すごい好きな曲かと言われたらそうじゃないけれど、印象に残っているというか、そんな曲。
以下和訳
あの遠く離れた雲を見てみろ
なんか立派になった気分だろう
"恵み"は時期に来るさ
突き刺すような痛みとともに
ソムリエみたいに
この5月の涙を味わって
どこまでも追っかけてくる月みたいに不幸はやってくる
けれどすぐ沈むんだ
真っ赤な風船とは違ってね
よお、少年!トリコに火を放て
ポルチコを通ってすぐ逃げろ*1
我らが証はあの丘さ
苦くるしい意思に満ちた僕に
冬の悪寒が息かける
そして火は燃え続けるのさ
以上和訳
*1 ポルチコとは屋根のついたポーチのこと。入り口前に柱が立っていて屋根がある建物とか東京や美術館に多いですがそんな感じ。
フリッパーズの歌詞は日本語ですら理解できないのに、英語になったらなおさら。私の主観が混ざっているので皆さんどうぞご自身で訳してもられたらと思います。
私の中では、丘の上に立つ建物の前から遠い空を眺める冒頭、涙を流して決心を下した少年たちが建物に火を放ち逃げてゆく、逃げた先から丘を見て燃え盛る火に自分自身の証を感じるとともに自責の念が襲うという物語をイメージ。
5月の涙はSecondアルバムの『偶然のナイフ・エッジ・カレス』にも出てきますがこっちのほうが好きな曲かな。
tipsとして、この曲は特に韻を踏むことが意識されており、
1連目前半がʊd、後半がíŋ
2連目前半がéɪ、後半がu:n
3連目前半がkəʊ、後半がíl
ですね。ものの見事に違う発音で韻を踏み続けていくという、聞いていて心地よさがありますよね。小沢健二がソロになってからも『ラブリー』とかは韻を踏みまくっていたり、もとからそういうのが得意なのか緻密に設計しているのかはわかりませんがとにかく尊敬です。韻まではうまく訳せませんので追記ということで失礼します。