叶うことなら田舎のDQNに生まれたかった。
10代で恋人を孕ませてよくもわからぬままその日の仕事に務める。
適当に感情のままに生きてパチンコに通い、ハイブランドを身にまとって幾つになってもふざけたスニーカを履いていればいい。
嫌にいかつい顔をした ワンボックスに乗って同じようにふざけた見た目の子どもたちと幸せに暮らすのだろう。
それがまっとうな幸いだと感じることができるくらいの人間に生まれたかった。
何かを諦めたときに、可能性を捨てるときになんの痛みも伴わずに、結果にだけ左右されるような当たり障りのない感情を持って生まれたかった。
不幸にもそんなものが幸いだとは感じられない頭で生まれたため、今日も勉学に励まざるを得ない。昔決めた約束を守らねばならない。
ああ不満足なソクラテスなんて自己満足だ
満足な豚であるほうが遥かに幸いである。
有意義かどうかは別として